なぜタイで遺言書が必要なのか?
タイに土地や預金、コンドミニアム、車など資産を持っていたら、相続にはタイのルールが適用されます。
遺言書を用意してないと、タイ民商法典による法定相続が自動で適用されます。
しかも外国人が相続に絡む場合、裁判所の許可が必要になったり、翻訳や宣誓書、領事認証など面倒な手続きが山ほどあります。
だから、ちゃんとした遺言書を残すのはめちゃくちゃ大事です。
遺言書の種類と作り方(タイ民商法典準拠)
タイでよく使われる遺言書には、以下の3つがあります:
自筆証書遺言 (Holograph Will)
自分で全部手書き。
全文手書き+署名+日付があればOK。だけど書き方間違えると無効リスクあり。
公正証書遺言 (Notarial Will)
公証人の前で正式に作る。
証人2人が必須で、安全・確実。これが一番安心。
密遺言・口頭遺言
危篤時など限定的な場合に使える。
実務ではほとんど使われない特殊ケース。
安心の『公正証書遺言』を作る流れ
公正証書遺言の流れはこんな感じ:
- まず思い描く資産・相続人・分け方などを整理
- 遺言書の草案を作成(タイ語が基本。弁護士のサポートがあると心強い)
- 公証人と証人2名を手配
- 指定日時に公証人事務所で作成・署名・正式認証
- 出来上がった正本を自分で保管し、コピーは弁護士さんや信頼できる人に持ってもらう
ちなみにタイの公証人は「民間の弁護士」で、弁護士会に選ばれたプロがやってくれます。(当社にもその資格を持つ弁護士がいます!)
公証人認証って何?
『公証人認証(Notarization/Notarial Certification)』とは、「この遺言書は本人の意思で書かれた、本物の文書ですよ」と証明する手続きです。
タイでは外国人による書類は、この認証を押さえることがほとんど必要です。
裁判所・銀行・土地局などでも公証人認証済み書類を求められることが多いです。
認証が必要な書類例
- 遺言書
- 委任状(POA)
- 翻訳文(タイ語⇆日本語など)
★タイ国外で使う場合は、タイ外務省(MFA)による追加の認証(アポスティーユ)が必要になることもあります。
外国人(日本人含む)が遺言書で気をつけること
項目 | 注意点 |
言語 | 原則はタイ語が正式。英語版を併記するのはOKだけど、法的にはタイ語が優先されます |
遺言執行者の指定 | Executor(執行者)を明記しておくと、死亡後の手続がスムーズです |
資産の特定 | 登記番号や口座名義、車両番号などなるべく詳しく書きましょう |
日タイ両国で遺言を作るとき | 内容がぶつからないように、日本・タイ両方の法律専門家に相談するのがベスト(所謂「ダブルウィル」の対処) |
遺言書がないとどうなる?
もし遺言書がなければ、タイ民商法典に従って6親等以内の法定相続人に資産が分配されます。
しかし、その場合、裁判所の承認が必須で相続人の証明や資産確認にめちゃくちゃ時間もお金もかかります。
さらに、外国人相続人がいると翻訳・証明が加わって手続きが複雑に…。
まとめ:外国人がタイで遺言書を作るときのポイント
- 公正証書遺言を選ぶ:信頼性高いし、そのまま裁判所や銀行でも使える
- 公証人認証は必須:タイで効力を持たせるため
- 遺言執行者を明記:死後の手続きをスムーズにするため
- 弁護士サポートを活用:タイ法との整合性やリスク回避のために大切
タイで資産を残すなら、まずはしっかりした遺言書を公正証書で作っておくこと。
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