タイにおける会計ソフトウエア事情

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タイではかなり独特な税制度があるため、日本の会計ソフトウエアのほとんどはタイで利用するのは難しいです。毎月税務申告・納税をしなければならないため、そのタイ独自の税制度に対応したソフトウエアが求められます。

タイでのシェアNo.1の会計ソフトウエア

タイでは ”Express” というソフトウエアがシェアNo.1を長年維持しています。シェアNo.1の理由はなんと言ってもその安さ(シングルバージョン買い切り価格19,000バーツ税別 2021年1月現在)と、安価な割に豊富な機能にあります。

Expressソフトウエア の WEBサイト
http://www.esg.co.th/esg/index.php?fi=no&page=feature&lang=en

さらに、タイの大学の会計学部で勉強する際(日本と異なり”経済学部”は少なくほとんどの大学で”会計学部”)、授業で会計実務を習う際に使うソフトウエアがこのExpressとなっている大学が多く、会計学部を卒業したての人でも使うことが出来るというのもシェアNo.1を維持している理由の1つです。

簡易ERPといえるExpress

Expressの中でも社内で共有できるLANバージョン(買い切り価格39,000バーツ税別 2021年1月現在)は、さながらERPシステムと呼んでも良いくらいの豊富な機能があります。
販売部門にて納品書・請求書の発行(AR機能)、購買部門にて稟議書・発注書の発行(AP機能)、などを行うことが出来、それらを入力発行した後にそのデータが会計部門へと連動され、会計部門にて集計、会計レポートを作成することが出来ます。
また、タイの税務署への納税書なども発行でき、タイで会社を運営するには十分な機能を有しているため起業したての会社などに大変人気があります。

Expressの欠点

しかしながら、この安くて便利なExpressにも欠点があります。大きな欠点は下記の2点です。

(1)カスタマイズがほぼ無理
(2)データのインポート・エクスポート、APIが開かれていない

Expressは保守契約を持たない非常にまれなソフトウエアです。保守契約を持たないくらいソフトウエアの安定性に自信があるとも言えます。ソフトウエア購入者は無料でオンラインサポートを受けることが出来ます。
ソフトウエアは非常に安定していて使い方を間違えない限りエラーや誤動作はほとんど起こりませんが、この安定した状態を保つためカスタマイズを出来るところが非常に限られていて(プリントアウトできる書類や帳票類の表示方法くらいしかカスタマイズできない)、使い勝手などを変更することが一切できません。
また、データのインポートやエクスポートもかなり限定的で、Excelと連動してグラフを作りたいなどという作業にも一苦労しますし、APIも開かれていないため他のシステムと連動することが出来ません。

自由度の高い会計ソフトウエア

Expressはよくできたソフトウエアではあるものの、データをエクスポートして独自レポートやグラフを作りたい、基幹システムと連動したい、という要望には応えられません。そうすると、もっと自由度が高く、しかもタイの税制度に対応したソフトウエアを使いたいという要望が出てきます。
弊社ではそのようなお客様へ会計ソフトウエアの ”Sage” をお勧めしています。

Sage タイ・シンガポール の WEBサイト
https://www.sage.com/th-th/
https://www.sage.com/en-sg/

Sageはカスタマイズの自由度がとても高く、ほとんどのご要望を叶えることが出来ます。
SageはERPとなっていますので、社内のほとんどの部署にて基幹システムとして利用することが出来、全てのデータを連動して正確な会計レポートを出力します。
もちろんタイの税制度へも対応しています。

期待のクラウド型ソフトウエア

SageはExpressと比べると高額なことが導入のネックとなることがあります。Expressのように十分な機能もあってあれだけ安価であれば、なかなか対抗できるソフトウエアはありませんが、近年Expressの本命の対抗馬として純タイ国産のクラウド型ソフトウエア ”Peak” が出てきました。

Peak の WEBサイト
https://www.peakaccount.com/en/

Peakは Expressと同等の機能

Peakは明らかにExpressを意識して作られているなと感じます。Expressで出来ることは全て出来るのでPeakも簡易ERPという呼べるかと思います。さらにExpressには無い独自の機能も追加しています。タイの税制度に対応しているどころか、クラウド型の有利な点を最大限に活かした、LINEとの連携機能や、銀行のステートメントと連動できる機能(近日公開予定)などの便利な機能もあります。
データのインポート・エクスポートの自由度も高く、APIも公開されているので他のシステムとの連動も可能です。

Peakの価格はサブスクリプション

Peakは、クラウド型ソフトウエアのため、価格は買い切りの物ではなく、サブスクリプション制での支払いとなります。つまり、月額の料金支払いにて利用できるソフトウエアです。
料金は全ての機能を使えるPRO+で月額1,200バーツと非常にリーズナブルな料金だと思います
このPeakは小規模企業を中心として、今まで長年シェアNo.1だったExpressの牙城を崩していくのではないかと期待しています。

まとめ

上述したタイのお勧めの会計ソフトウエアに関してまとめてみました。

ソフトウエア名ExpressSagePeak
価格19,000
 ~39,000
20,000/モジュール~月額無料
 ~月額1,200
カスタマイズ不可可能不可
タイの税制度対応対応対応
データの入出力入力:不可
出力:一部可
入力:可能
出力:可能
入力:可能
出力:可能
API無し有り有り
その他豊富な既存モジュール
銀行出納連動
LINE連動
帳票類のアップロード
銀行出納連動
タイの会計ソフトウエア比較

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弊社では会計ソフトウエアの販売、導入サポート、使い方指導、保守サポート、入れ替え支援、など、会計ソフトウエアに関するあらゆるサービスを行っております。
今回ご紹介した会計ソフトウエア以外のソフトウエアにも対応しておりますし、店舗でご利用のPOSレジなども扱っております。
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