タイからの撤退を決定しタイ現地法人の解散手続きを取る際の注意点に関して説明します。
タイ現地法人の解散には時間と費用がかかる
タイでの企業の解散には予想以上の時間がかかります。解散の申請を行ってから1年以上かかることも珍しくなく、2年ほどかかったケースもありました。このことは完全に解散となるまでに債権者が名乗り出るのを待たせるという理由もあるようです。
監査費用、資産に対するVAT
解散する際に資産を確定しなければならないので公認会計士の監査を受ける必要があります。つまり、監査費用がかかります。その監査の結果、帳簿上資産があれば(実際に現物の資産があるかどうかではなく資産として数字があれば)その資産額に対してVATがかかり、その分を納税する義務があります。つまり解散手続きの際に予期していなかった税金の支払いが発生することがあるのです。
月次税務
解散手続きを待っている間も毎月税務申告はしなければなりません。どなたかスタッフが残って毎月の税務申告したとしてもその方への給与が必要だと思いますし、会計事務所へ依頼すれば会計事務所の手数料がかかります。
タイからの撤退を決めて現地法人の会社を行うにも、上述の通り色々とお金がかかります。
解散を安く引き受ける業者
解散手続きを非常に安く引き受ける会計事務所や業者もありますが、それらの業者では引き受けた後に何もせず放置しておくだけの可能性もあります。解散手続きを依頼した後、駐在員も引き上げてしまって誰もタイでチェックできる人がいなくなると、放置されてしまうリスクが高くなります。
放置による将来的なリスク
監査もせず毎月の税務も放置されてしまうと、ダイレクターに名前が入っている人はその後タイで仕事をしようとする際にビザやワークパーミットの許可が降りなかったり、新規企業や新しくタイでダイレクターに就いた際にペナルティを課せられる可能性もあります。ですので、解散手続きを依頼する業者選びには注意が必要です。
まとめ
もう撤退を決定したのでこれからお金がかかるというのは納得いかないという考えも理解できますが、法律としてそうしなければならないことになっていますので仕方の無いことです。特に我々外国人はビザやワークパーミットが無いとこの国にいることが出来ないので、それら全ての将来的なことも含めて検討し、最後の解散を任せる業者を選ぶべきだと思います。
タイ現地法人の解散には時間も費用もかかりますが、売却してしまうという手もあります。債務超過であったとしても、業種や見えない資産によって売却できる可能性が残っている場合があります。解散や売却など、撤退に関するご相談も弊社で受け付けております。
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