タイ人スタッフの管理とコミュニケーション

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タイ人スタッフの管理とコミュニケーションについて弊社なりの考えをお伝えいたします。もちろん「タイ人スタッフ」と一口に言っても色々な方がいらっしゃるので、一括に「こうだ」ということは言えませんが、日本文化とタイ文化の違いなどから起こるコミュニケーションの違いなどの例を参考にしていただいて、社内業務を円滑にするお役に立てていただければと思います。

経験から導いた方法

この記事を書いている私自身は1999年にタイでの仕事を開始してから20年以上タイで業務を行っておりまして、今までに数多くのタイ人スタッフと一緒に仕事をしてきました。その経験から現在弊社で採用しているコミュニケーションの取り方をお伝えしたいと思います。

会議を多く行う

タイ人スタッフとの業務上の伝達の方法として、なるべく会議を多くするように心がけています。日本などでは「無駄な会議を無くす」という会議を減らす方向ですが、弊社は逆の方針を採用しています。というのも、私の個人的意見ですが、タイ人の多くの方々は短い伝達をきちんと受け止めない傾向にあります。後で「伝えたじゃないか!」「だから言っただろ!」とならないように、きちんと伝わっているか、理解してもらっているかを確認しながら伝達します。そのために、特にまだ理解度を測りかねていないスタッフに対してはデスクで業務している最中に伝えることはせず、相手がきちんと理解したとわかるまで時間をかけながら伝えるために、会議の形式をとるようにしています。

たまに全く理解不能な回答や行動をされて、このスタッフは宇宙人なのか?と思う経験をしてきたのですが、そのようなスタッフでもじっくりと時間をかけて話をすればきちんと伝わるし理解してもらえるということが経験でわかったため、会議はものすごく重要だと考えています。

メールでの伝達だけで終わらない

メールで業務上の伝達をすることも多いですが、メールで伝えて回答を待つだけということをなるべくせずに、必ず口頭でも確認します。この確認や説明もきちんと伝わっていることを確認したいために会議の形をとることが多いです。

同じことを何度か伝える

複雑な業務、新しく始める業務、今までと似てるけどパターンが異なる業務、などに関して、会議での説明は特に気をつけています。どのように気をつけるかといいますと、1度伝えただけで終わらず、同じ説明を少し言葉を変えたり、お客様視点などの別の角度から見た場合などに変えて、同じ内容のことですが何度も説明して伝えます。何度か説明すると「実は伝わってなかったか」とわかることもあります。1度目に伝えた際に、うんうんとはっきりと分かったという顔をしていたので伝わったのかと思っても、念の為と思ってもう1度伝えると、全くずれた質問が返ってきたりして伝わっていないことがわかったりします。

これと近いことですが、ずっと変更もなく同じことなのに、何度も言わないとまた忘れてしまっている、というようなことも起こります。「何度も同じこと言わせるなよ」とも思いますが、これがタイで働くということだと割り切って、嫌味にならないように言い方には気を配りながら何度も同じことを伝える努力をしています。マニュアル化していることでも、それを再度口頭でも伝えます。

多くの日本人の方は同じことを何度も言うのを嫌がりますが、これは日本の文化で、タイの文化とは異なると割り切って何度も伝えるようにしましょう。

わかった?と聞くのをやめる

日本人としてはやってしまいがちなことですが、タイで「わかった?」と聞くほど意味のないことは無いと思っています。理解できていなくても「わかりません」と言わないのがタイの文化です。言わないというより、言ってはいけないのです。そのようなしつけのある文化です。

例えば、学校の勉強でわからないことがあっても先生に質問をしてはいけないらしいです。先生の授業で質問をすると、その先生の授業は良くないと批判しているのと同じことになり、大変失礼なことだそうです。

これと同じで、上司が説明してくれたことに対して「わかりません」というのは、「上司は説明が下手だな」と言ってるのと同じことになるので、タイ人スタッフの口から「わかりません」という言葉は出てきづらいです。

逆に説明させる

「わかった?」と聞けないなら、どうすれば良いのか。私は、こちら側から説明したことを、そのスタッフに逆に説明させるか復唱させます。そうすると言葉に詰まったりうまく説明できないことで理解していないことがわかります。すらすら説明できればきちんと理解しているということです。

飲みニケーションはしない

多くの日本の企業文化ではとても重要な役割を持つ「飲みニケーション」、飲み会や、上司が部下を誘って普段なかなか言えない悩みを聞いたりしてコミュニケーションを向上させます。タイの日系の現地法人でも飲み会をやったり、上司である日本人がタイ人スタッフを飲みに連れて行ったりしますが、部下のタイ人スタッフからしたらありがた迷惑なことがあります。

上述したようにタイでは日本と異なる文化であり、法律などで明文化はされていませんが、タイの一般社会にははっきりとした階級があります。タイ人スタッフから見れば駐在員は自分より階級がかなり上の人で、そんな人と食事を同席するなんてとんでもないことなのです。会社の飲み会なら仲の良い同僚も一緒にいるのでまだ良いですが、上司と二人きりだったりすると部下にとってはとても苦しい時間だったりします。良かれと思って誘ったのに部下を苦しめていることになります。

会社の飲み会でも、ダイレクター達の席と一般社員の席は別々にしています。

笑い話、楽しい雰囲気を用いる

毎回でなくても良いですし、本当に数えるほどで良いですが、会議の中で雰囲気を和らげる冗談や笑い話をするようにしています。目上の上司が面白いことをいうと、タイ人スタッフとの距離がぐっと縮まります。

タイ人は一般的にぱっと見て笑えるギャグの様な面白いことが好きです。タイのテレビCMを見たことがあると思いますが、ほとんどのCMがぱっと見て笑えるような作りになっているのがわかると思います。

普段はずっと真面目でも、何かのタイミングでちょっと笑えるような話、冗談、面白い相槌、などを言って笑いを取れると、「本当はこの人楽しい人だ」と理解されて距離が縮まります。

まとめ

日本人からすると色々と不思議に思えるようなこともタイの文化から来ていることが多く、それはそれで尊敬して受け止める必要があります。むしろ我々外国人がタイで仕事をさせてもらっているというくらいの気持ちで、我々から順応していく必要があります。

タイの文化に関しては、こちらのWEBサイトも詳しいです。

タイ人の文化と気質の違いを理解し、うまく仕事をするために、常に心掛けている事 | たきんにょのタイ在住あれこれ (takinnyothai.com)

タイ人の文化と気質の違いを理解しつつ、スタッフと一緒にうまく仕事をするために、常に心掛けている事
タイ在住16年の「たきんにょ」です。 タイ人の文化や気質を理解しつつ、一緒にうまく仕事をして行くコツと言うか、私が常に心掛けている事。 「すぐに転職してしまう」「時間にルーズ」「言い訳の達人」「都合の悪い事は言わずに隠す」などへの対処法をご紹介します。

色々と説明をしましたが、文化の違いから起こるトラブルも多いと思います。タイ人スタッフがいうことを聞いてくれない、などのご相談も承っております。中には不正が絡んでいることもありました。

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