バックアップを取る方法 に関して説明します。バックアップの重要性はもちろんご存知だとは思いますが、ここタイでは情報のバックアップが より重要だということを改めて解説したいと思います。
タイで起こった大災害
まだ記憶に新しい方も多いと思いますが、2010年に反体制派(タクシン派UDD)がデモ活動を活発化させ、そのデモが道路や建物を占拠しました。特にラマ4世通りとシーロム通りの交差点付近のオフィスビルでは中に入ることも出来ず、多くの企業が1~2ヶ月ほどまともに業務を行えませんでした。
その後警察の突入と強制排除によってデモ隊と警察が真正面からぶつかり合い、バンコク市内ではあちこちのビルが燃やされることとなり、完全に平常に戻るまでには数ヶ月を要しました。
この間もバンコクから離れた工業団地などでは平常通り営業されていたため、影響を受けて営業できなかった企業はほとんどがバンコク中心部にある企業でした。
画像引用:ウィキペディア 暗黒の土曜日
アユタヤ方面の大洪水
その翌年にはアユタヤ地域を中心としてバンコク北部周辺まで大規模な洪水に見舞われました。これによりアユタヤ地域にある工業団地内の工場などは水没してしまい、多くの企業にて紙の資料やデータが失われてしまいました。
画像引用:ウィキペディア タイ洪水_(2011年)
情報の損失
これらの災害に見舞われてしまった場合、設備や物品に関してはある程度は保険で賄うことが出来ます。しかし、書類やPC及びサーバー内に保管していた情報やデータを失ってしまった場合、元には戻せませんし、保険でも何の保障もしてもらえません。
近年2度のクーデター
弊社がタイにて創業した2001年以降、なんと2度にも渡るクーデターを経験しています。2006年に起こったクーデターでは戒厳令が出されてその後数日間いきなり外出禁止となり、全ての企業が突然業務を一時停止することになりました。もちろんコロナ禍と同じく自宅で仕事は出来るものの、ほとんどのデータが社内に残された企業では全く仕事をすることが出来ませんでした。
画像引用:ウィキペディア タイ軍事クーデター_(2006年)
その他の情報損失のリスク
また、これらの災害だけではなく、企業内でも情報の損害が発生するリスクが存在します。
従業員によるデータの削除
なんらかの理由で従業員が会社に対して恨みを持ってしまい、退職とともに社内のデータを削除する、という事件が頻繁に起こっています。自分が作った社内のデータは自分に権利があると勘違いして持ち出したり、消去したりすることもありますし、単純に嫌がらせとして会社を運営するのに重要なデータを削除するケースもあります。
また、従業員同士が喧嘩をして、相手を困らせるために相手の仕事に関するデータを削除した、という事件もありました。
機器の劣化
サーバーやPC、データを保存していたハードディスク等、これらはほとんどが機械で動くもので、機械はいずれ故障して動かなくなります。ずっと稼働し続ける機械はありませんから、必ず故障します。そのようなものだけに大切なデータを保存しておくのは大きなリスクです。
バックアップさえしておけば
上述したような様々な災害、事件、機器の故障に対しては、バックアップが有効です。むしろバックアップさえ確実に取っておけばこれらのリスクは完全に回避できます。
バックアップを別の場所へ保管する
ただし、バックアップを取ったは良いが、元のデータと同じ場所へ置いておくと、その場所へ入れなくなった場合に意味がありません。バックアップデータは、元のデータとは別の場所へ保管することが大切です。例えばオフィスに入れなくなっても、バックアップデータが手元にあれば安心ですし、業務を止めなければならないリスクも軽減されます。
バックアップを保管する場所は、ご自宅、日本本社、最近ではクラウド(クラウドサービス、クラウドサーバー)など、普段業務をしているオフィス以外のところへ保管できるようにしましょう。
バックアップの具体的方法
バックアップを取るのは非常に手間がかかる作業だと認識している方も多いと思います。1回1回時間がかかったり、頻繁に行う必要があるので大変面倒です。ですので、バックアップは自動化をすることをお勧めいたします。弊社では用途や状況によって様々なバックアップソフトウエアの販売を行っておりますが、無料のソフトウエアやバッチ処理などを利用すれば費用をかけずにバックアップの自動化を実現することも可能です。
無料のバックアップソフトウェアやRPAも有効
また、自動化するのには RPAソフトウエア もあります。最近、マイクロソフトのRPAソフトウエア 「Power Automate Desktop」が無料でダウンロードできるようになりました。今後も無料かどうかまだわかりませんが、とりあえず無料で利用できるうちに、PC上の色々な作業を自動化したりRPAの使い方を勉強していくのにしておくのが良いかと思います。
ご利用になっているシステムがバックアップの自動化に対応していない場合でも、RPAを利用すればバックアップを自動化することが可能です。
バックアップデータ、復元の確認
自動バックアップを構築できれば、あとはほったらかしで良いのかと言うとそうではありません。データを損失してしまったいざというときに自動的にバックアップしてあったデータが使い物にならなかった、というケースも大変多いです。バックアップしてあるデータがちゃんと使えるものか、いざというときに復元できるかどうか、というのを定期的にチェックすることをおすすめ致します。
担当者に任せきりにしない
タイ人の担当スタッフにデータのバックアップを取らせていたが、いざバックアップされたデータを使いたいときにそのデータが使えなかった、というのはよくある話です。担当者に任せきりにせずに、チェックリストを作成して作業が確実に行われてデータが確実に使われているかをチェックしたり、実際にバックアップデータが使えるのかをご自身で確かめることをお勧め致します。
弊社では、自動バックアップの構築から、バックアップデータのチェック、バックアップデータの預かり保管、さらには、故障したPCやサーバーからのデータの復旧に至るまで、ありとあらゆるデータに関するサービスを提供しております。
データ保全、バックアップに特化したアウトソーシングサービスを提供しているのは弊社だけだと思われます。
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