ルール無きリモートワークは 社内感染を招く

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ルール無きリモートワークは、企業や社員を新型コロナウイルス感染から守るどころか、むしろ 社内感染を招く ということを説明します。

タイ政府のロックダウン政策

タイでも新型コロナウイルス(Covid-19)が猛威を奮ってきまして、最近は感染者数の増大が著しいです(2021年4月現在)。タイ政府も色々な対策を打ち出し、所謂ロックダウンと呼ばれるような措置として、飲食店での酒類提供禁止、店内飲食は21時まで、コンビニは22時まで、その他娯楽施設等は営業禁止、等々、非常に厳しい対策を実施しています。

非常に厳しいタイ政府

タイは「賄賂が通じる非常に緩い国」と思われがちで、飲食店での酒類提供禁止の措置に対しても、飲食店側が内緒で提供してお客様も気軽に飲んでいたりしますが、実際には飲食店もお客様も見つかり次第全員逮捕されるという徹底ぶりで、タイ政府の新型コロナ対策が本気だということがよくわかります。

尚、「タイは賄賂が通じる国」というのは幻想です。多くの人が賄賂が通じると誤解していますので、そのことに関しては後日別記事にて詳しく解説したいと思います。

このタイ政府の厳しい措置に習って、日系企業でも リモートワーク や ワーク・フロム・ホーム Work From Home (WFH) を決定して、従業員たちを出社させずに家から仕事をするようにという措置を実施した企業も多いです。しかし、このリモートワークにきちんとルールを設けていないと大変なことになります。

実はリモートワークのほうが危険な理由

すでにご存知だとは思いますが、新型コロナウイルスはどのように感染するのかを今一度思い返すなり調べるなりしてみてください。新型コロナウイルスは人の粘膜を経由して感染します。その一番多い感染方法としては、新型コロナウイルス感染者の出すウイルスを含んだ唾液が、目・鼻・口を通して体内へ入り、喉の奥の粘膜に付着して吸収されるか、胃をすり抜けて腸まで達して吸収されて感染します。つまり、目・鼻・口にウイルス入りの唾液が入らなければ感染しないわけです。

一番危ないのは会食

通勤時に感染者の近くにいても、その感染者の唾液の飛沫が目・鼻・口に入ってしまうことはまずありません。つまり通勤によって新型コロナウイルスに感染してしまうということはまず無いわけです。感染しやすい経路は、飛沫が届く範囲で同じものを食べる会食や、飛沫が飛び交うカラオケなどです。

おかずをシェアするタイの文化

タイ人の方々は誰かとご飯を食べるときにおかずをシェアすることが多く、日本でいう菜箸のような取り分けるためだけの箸やスプーンもなしで、自分のスプーンを直に使ってシェアしているおかずを取り分けます。これは自分の唾液をおかずに付着させてしまう行為で、他の人はその唾液を口から体内に取り込んでしまいます。

これが良いとか悪いとかいう話ではなく、これはタイの文化ですので、これをタイ人の方にやめろと言っても急には難しいです。普段から無意識にこのような会食のスタイルで何年も生活してきたのですから。

もし感染者と会食をすると感染する可能性が非常に高いのがわかると思います。

リモートワークで時間ができる

このことがリモートワークとどのように関連するのかという説明をします。
リモートワークには通勤時間が存在しません。さらに、通勤で疲れることもありません。自宅にいるために他の人の目もなく、好きな飲物と食べ物を食べながらリラックスしながら仕事ができて疲れません。そうすると時間と体力が余ります。新型コロナ感染を他人事のように考えている人は、余った時間と体力で友人や家族と会う機会が増えてしまうなどということが起こります。本来、人と会わせないためのリモートワークなのに、ルールを設けていないために逆効果となってしまいます。

社内へ持ち込むリスク

このようにリモートワークによって従業員が時間を持って自由に行動してしまうと、感染リスクが高まり、リモートワークをやめて通勤を再開し始めたら新型ウイルスに感染した従業員が出社して社内にウイルスをばらまくということが起こりかねません。

ルールを作る、周知を徹底する、勉強会を設ける

もちろん、会社がリモートワークやWFHを実施しても、従業員が家から一歩も外に出ないという意識を持って徹底すれば、それが一番安全でその従業員は感染することはありません。御社の従業員はこのことを理解していますか?

きちんと理解してもらい実施してもらうために、会社としてどのような行動をとっていますか?

新型コロナウイルスの感染・対策に関する勉強会

まずは従業員が新型コロナウイルスに関して正確な知識を共有できるように、感染のメカニズムや感染経路、感染を防ぐための対策などの基礎知識を教える勉強会をしましょう。会食をしない、手洗いをしましょう、ということが徹底されるだけでも感染リスクはかなり減るはずです。

リモートワークに関するルール作り

リモートワークは休暇ではありません。なぜリモートワークを行うのかというその理由から、リモートワーク時に気をつけなければならないこと、感染したかもと思った場合にはどのように行動するべきか、等々、社内規定などのルールを作ってあげることが会社の重要な役割の1つです。新しいルールを作るか就業規則に盛り込むかも検討が必要です。

また、リモートワークに関するルールを破った場合の罰則も、タイの労働法の範囲内で決めておくべきです。もちろん罰を与えるのが目的ではなく抑止力として罰則を設けます。

これらのルールをきちんと整備して、周知を徹底して、勉強会にて理解を深めれば、全員一丸となってこの苦境を脱することが出来ます。さらに、新型コロナウイルスが収まった後にも、勉強会などの良い情報交換やコミュニケーションが生まれ、より良い会社を作っていくことができるはずです。

日本本社のルールは参考にしつつそのままではダメ

これらの業務は本来であれば人事部または総務部の業務です。日本には人事部などがあるかと思いますので、本社に問い合わせて本社のルールをタイに合うように改変して利用するのも良い方法です。ただし、翻訳には要注意です。タイの労働法に合わない、または、翻訳が正確でなければ意図していることとは異なる意味で伝わってしまい従業員の反感を買うこともあります。

弊社では上述したようなルール作りや、日本本社のルールがタイ労働法に合うかどうかのチェック、ルールの翻訳、勉強会のお手伝い、等々のサポートをしております。

是非お気軽にお問い合わせください。

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