コロナ禍でも諦めない経営 店舗の売買

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長文記事店舗のヒント

弊社のお客様にて店舗の売買(店舗事業の売買)が成立致しました。このコロナ禍でどこの店舗も経営はピンチに立たされていると思いますが、攻めの経営としての1つの成功例になればと思います。なるべく詳細をお伝えいたしますが、どこの店舗か特定を避けるため若干のフェイクを入れています。

店舗事業のピンチ

ここタイでもほぼロックダウンと呼んで良い状態が続き、飲食店はお客様に店内で食事してもらうことが出来ず、販売は持ち帰りかデリバリーに限定されてしまうこととなってしまいました。飲食店だけでなく、そもそも外出する人が減ってしまったためにどこの店舗でも売上は減少してしまいました。好調なのは食品などを扱うスーパーなどの店舗くらいでしょうか。

売る側の事情

タイにて店舗を運営されていた日本人のオーナー様がいましたが、普段は日本にいるために通常の営業は日本人店長とタイ人マネージャーに任せていて売上はオンラインにて管理していました。とても評判の良い店舗で客足も途絶えることも無く、長年利益を出し続けている非常に優良な店舗でした。オーナーは2~3ヶ月に1度タイへ来てチェックやお金の管理を行い、利益から日本への送金も行っていました。周りから見ても悠々自適という感じで大変余裕のある経営でした。

コロナで悠々自適から一気に赤字化

ところがコロナが襲ってきてから状況は一変し、今まで数年間なかった赤字状態へあっという間に陥ってしまいました。当然、日本人店長が中心となって経費の節減を行いつつ、思うように店舗を開けられない状況の中でもなんとか売上を確保しようと色々な策を打っていきましたが、今までと全く異なる状況に苦戦してうまく経費の節減を行うことが出来ませんでした。スタッフの人数は極限まで少なくしましたが、それでも全体の固定費から見たら削減できた割合は少なく、焼け石に水状態で赤字状態を回復することは出来ませんでした。

いよいよ運転資金が枯渇

赤字状態が続いたため、いよいよ運転資金に不安が出てきてしまいました。このままでは運転資金が枯渇してしまうので、店舗を維持するためにどこかからお金を借りるか、オーナーが日本から送金するという方法を検討しましたが、タイでは外国人オーナーや外国人ダイレクターの会社へは銀行はお金を貸してくれないことと、オーナーも日本ではまた別の店舗を経営していてそちらもピンチだったためにタイへ送金する余裕もなく、どうにも出来ない状態となってしまいました。

運転資金をこれ以上減らさないために固定費のさらなる削減を考えましたが、一番大きな固定費である家賃と日本人店長の人件費に手を付けないと運転資金を維持できないことがわかりました。しかし、その2つを削減するということは店舗を閉じるということと同じことになるので、オーナーはかなり悩んだそうです。本当に事業を諦めて店舗を閉めるかどうかという決断のときが迫ってきた中で、うまく今回の売買の話が舞い込みました。

買う側の事情

一方、今回の買う側になる経営者ですが、この方も同じくタイにて店舗事業を展開しておりました。数店舗を運営していたので、コロナ禍で全体の売上が落ち込んだとは言え、まだ売上が確保できる店舗だけに絞って営業を続けて、周りの店舗が閉店に追い込まれる中でも黒字をキープしていました。素晴らしい経営手腕だと思います。

他の店舗の手助けを出来るのではと考えた

この経営者の方はコロナ禍でも黒字を続けられたことで、自分の経営のやり方で閉店に追い込まれる他の店舗を助けられないか、そして、自身の会社の経営にもプラスに出来ないかと考えました。弊社ではこの話を経営者の方からお聞きしましたので今回の売買に繋がるアドバイスをさせていただきました。コロナ禍でなければ安定利益を生み出せるが現状は苦しいという店舗の情報を集め、その経営者の方が手助けをすればこのコロナ禍でも維持できそうな店舗に経営のお手伝いと売買の話を持ちかけました。そして今回の売買に繋がりました。

Win-Win の売買

ここで双方の思惑や状況を整理しますと以下のようになります。

売る側 オーナー

  • 運転資金の枯渇で閉店を余儀なくされている
  • 本音では店舗を売りたくないがこのままでは閉店
  • 閉店してしまうと今までの投資が全て水の泡

買う側 経営者

  • 良い店舗が苦しい状況であれば経営の手助けをしたい
  • 自分の店舗を増やして事業を拡大したい
  • 店舗購入費用はなるべく少なく抑えたい

両者の思惑が合致した部分

この両者の思惑で、一番重要だと思われる部分をマッチングいたしました。まず売る側オーナーとしては、本音では店舗を売りたくないのですが運転資金を用意できない状況。買う側経営者としては、購入費用は安く抑えたいが良い店舗を自分の事業に加えたい。この2つをマッチングさせるべく交渉を行って直ぐに以下のような形で話がまとまりました。

売る側オーナーの思惑買う側経営者の思惑合意内容
お店を維持したいが、
 運転資金を準備できない
なるべく安く店舗を購入したい株単価最安値で51%分を売買
経営者は運転資金を用意して店舗経営

オーナーが51%分の株を最安値で経営者に販売しました。そして、経営者は経営権を持ち、運転資金を自身で用意して店舗を運営していくという内容で合意に至りました。

売る側オーナーが実質100%の株を所有していたので、51%を売り渡しても残り49%はまだオーナーのものです。ですので今後店舗の景気が良くなり利益が出ればオーナーにも配当での利益分配の権利が残ります。

買う側の経営者はこの店舗の良さも知っているので、自分で運転資金を出しても経営の立て直しを出来るためリスクは少ないと考えています。株は最安値で51%分を購入できましたので、なるべく安く購入したいという思惑も達成できました。そして店舗の維持から黒字化まで持っていければ、売る側オーナーの今までの投資を水の泡にすることを防げるため、オーナーのことも手助けできたこととなります。まさにWin-Winの売買を成立させることが出来ました。

ちなみに売る側オーナーは日本にいる方ですが、タイに来ること無くオンラインで全てを進めることが出来ました。便利な時代になったものです。

まとめ

今回の売買は非常にうまくWin-Winの関係をマッチング出来たと弊社は自負しています。

オーナーはお店を潰すこと無く、もし今後利益が出れば49%分は権利が残ったままですし、お店を潰してしまったというレッテルを貼られることもありません。諦めずに道を探していけばなんとかなるものです。買った側の経営者は株51%分を取得して優良店舗を自分の店舗とすることが出来、事業を拡大することが出来ました。

弊社は難しくなった店舗運営のサポートや適切なアドバイスを行っております。

今回のような店舗事業の売買のお手伝いもさせていただいております。

店舗運営で難しい状況になった際にもお手伝い出来るかと思います。

是非お気軽にお問い合わせください。

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