会計マネージャーの不正の実例

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長文記事不正のヒント

過去Twitterにて配信していた不正調査の経過をまとめました。

不正調査のご依頼

昨年度から何かが変だと感じているという経営者の方から不正調査のご依頼をいただき、先月から不正調査を実施して、その企業の会計マネージャーの不正を見つけることができました。

発覚した不正

昨年度の不正でしたが、割引になっていた社会保険料を誤って満額支払ったように装い差額を横領するというような手口でした。とても単純な手口ですが、社内の書類を偽造して辻褄を合わせていたため会計事務所ではスルーされてしまっていました。人数の多い企業なので結構な額となっています。

内部統制が構築できていなかった

問題は、内部統制が構築されておらず、この会計マネージャーの権限のみで現金を扱えたことです。

経営者がざっくりとでも「何かおかしい」と違和感を感じるくらいなので、これは氷山の一角ではないか、他にも不正があるのではないかとと考えて調査を続行しました。貧すれば鈍する。景気が悪い時は従業員の個人的なお金の問題も出やすく不正に走りやすいので要注意です。

不正調査続行

引き続き不正調査です。昨年度の財務諸表のドラフトを確認したところ、予想通り Advanced to director と Unclaimed expenses の額が大きく膨らんでいました。これらの科目を利用した不正は、理由を明記した書類を会計担当者が偽造してしまうと監査人もスルーして不正は発覚しづらいです。

(もちろん経営者がきちんとお金の流れを追って監査人とも密に確認をすれば発見できます)

この科目に相当する支払い伝票を中心として調査していくことにしました。

会計マネージャーの解雇

不正調査の続き。本日社長より、

「会計マネージャーをクビにした」

「不正なので解雇手当は支払わない」

と伝えられ、これで不正調査は打ち切りとなりました。

しかし、解雇の根拠としている昨年度の社会保険料の差額横領に関しては「勘違いによる手順ミス」という言い訳をされてお金を返納されてしまうと、横領の事実がなかったことにもなりかねず、逆に不当解雇だと訴えられる可能性まで出てきます。社長にはこのことを説明しましたが、もうクビにしてしまったとのことで後の祭りでした。

不正を根拠に解雇する場合は

不正を根拠に解雇する場合は、出来る限りの証拠を集めて、それらの証拠を本人に突きつけて不正をしていたということを認めさせてから解雇すべきです。感情が先立ってクビにしてしまうと逆手に取られてしまいずるずると長引くトラブルになることもあります。

まとめ

日本でも出張費を誤魔化すなどの細かい不正はあるとは思いますが、タイではそれらの細かい不正でもすぐに一人分の人件費ほどの額になります。そしてその不正を従業員が簡単に出来てしまうことが多いです。

日本人経営者は舐められています。普段から経営者が何も考えずに領収書の束を会計担当者に渡したりしていると、担当者は自分もやっていいと勘違いします。

これらの不正の防止策としては権限の整理、伝票類の整備、システムへ落とし込む、などの内部統制を構築することです。おかしいと思ったときの不正調査より普段の内部統制の方が重要です。

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